都市の中心部に群を成して建っている「ビル」と呼ばれる建築物はすべからく、
なにも疑わずコンクリートや鉄骨で造られてきました。
デパート、ホテル、行政庁舎、その他店舗ビルをもし木造で造ることができたら、
私たちは、これまでとは全く質の異なる、心身に優しい都市空間を闊歩できるようになると思います。
鬱蒼とした5mピッチの有柱空間。

その密度感は、上階へ上がるほど、木構造の枝振りは粗となり、
天井高も増し、空間は明るく、開放されていきます。
樹上を散歩する「都市の木造」

もちろん、防火性能や構造耐力はこれまでの基準に合致させるのです。
都市を森とすることも、もはや夢物語ではない、
木造建築=ツリービルの時代が展開しようとしています。

<外観模型写真>この計画は、天井を大事にしようと思っています。街路の多層建築というのは、悲しいかなファサードをいくらかっこよくつくっても眺めるポイントに乏しく、特に足下を歩く人からは、辛うじて天井が見えるかどうかという状況となります。さらに商業テナントビルの場合であれば、テナント工事でいじられない(許可しない)場所があるとすれば、それは天井ではないかということになります。その天井を半ば主要構造として、森を暗喩(直喩?)しようとしています。

<街の鳥瞰図(上)内観模型写真(下)>天神ツリービルは敷地は具体的な場所を想定しましたが、ティンバライズ九州展のために製作された、架空のものです。しかしながら、制作者の気持ちとしては、実現性を感じることができる計画であることを目指しました。わたしたち(日本)は多層の建築物を造る技術として木造の可能性を100年近く放念してきたのですから、造る側も、発注する側も、おそらく木で造ることそのものに、心理的側面なども含めて様々なハードルがあると思ったからです。ですから、概ね木でできているといえる(木で構造が成立していて、それが内部外部から見えている)デザインを第一義とし、後は現実に建てる見通しを立てたいと思いました。

 

 

 

 

<断面図>想定は4層建築です。法律上、純粋に木造でできる階数という理由で仮定しています。構造としては、単純に柱梁構造です。木造によくみる方立てをデザイン言語としています。