2021. 4. 9 permalink
1ヶ月先に、屋根の葺き替え工事が予定されている。ガルバリウム鋼板素地のタテハゼ葺き(勾配=1/50)軒先の水切りの悪いところから、錆び孔が出始めたので、昨年から応急処置をしていた。屋根の葺き替えを何年か後にご検討を、と伝えていたところ、このコロナで営業成績が芳しくないにもかかわらず、この春に葺き替えを決行することになった。今年の春は、事務所創設時の築20年モノのメンテナンスが3件入っている。こちらを含めて、どの施主さんも、大変に建物を愛し、大事にされていることが、ヒシヒシと伝わり、メンテに走り廻る気ぜわしさを除けば、とても有り難いという感覚を覚える。20年経つと、(本意では無いが)不具合も出てくる。それに、それなりの出費を当てていただけることは、建築に代わってお礼を言わなければならない、と内心は思っている。
この土壁も昨年、塗り替えをしている。土の配合も、当初より進化して、風雪に強く耐えるものになっているようである。それにしても、今日は青空。土壁を背景にした、植栽が美しい。いや、植栽をフロントに置いた、背景の土壁が美しい。(建築設計者の視点はどうしてもこうなる。)3段屋根と2ボリュームを、平面形、と断面系で微妙に傾きを変えて、第二ファサード(実は、正面は向こう側)に動きを持たせているのだが、こういう造形操作も、最近ではあまりやっていないので、へんな話し新鮮だった。(写真は広角レンズによって倒れているように見えているが、本当に倒れている。)建築のみならず、自分もそれなりに歳をとって、手法も変化しているということになる。