2022. 6. 22 permalink
銅板葺が終盤にさしかかろうとしている。事務所としては、銅板葺の屋根そのものが、初めてのことになる。またこれほどの急勾配の屋根も初めて。屋根職人さんが、防暑衣服を膨らませながら、この急勾配の屋根施工に取り組んでいる姿を見て、思わず泣けてきた。ほとんど、ロープにぶら下がっている状態での、施工。彼らのような人々が、もしかしたら、10年後には居なくなっているのではないか、と不安になるほどに、建設労働に関わる、人材の不足、というか、「職人」と呼べる人々の減少が言われる昨今である。
他にも、ガラス屋が、CT鋼で特注製作したマリオンを設置していたり、軽天屋がボード施工をしていたり、給排水、電気設備の配管配線など、1200㎡が何処ももれなく何かが行われている状況を拝察しながら、監理する設計者にとっては、良いものを、約束の時間内で収めるのは、ひとえに、この職人たちの力によるものだ、と痛感しないではいられない。ぼくたちではこの建築はできない、のだから、頑張ってちょうだい、と心の中で、念じながら、現場を巡る。