惠葉の杜

惠葉の杜

カテゴリ
商業施設 店舗内装
敷地
福岡県福岡市博多区KITTE内
用途
店舗(大規模店舗内)
施工面積
:16.9平米(5.1坪)
設計期間
2015/7-12
工期
2016/1~3月
工事費
B工事(エイムクリエイツ) 約178万円
C工事(稲葉工務店) 約440万円(86.2万円/坪)
厨房設備機器(ホシザキ) 約272万円(設計監理費用別途/消費税別)
設計
設計+制作/建築巧房
監理
設計+制作/建築巧房
担当
木下知
施工
稲葉工務店
敷地
「CONFORT」2016年6月号
特記
現存せず
惠葉の杜

KITTE博多」2016オープンと共に1Fにしつらえられた店舗。福岡のマクロビオティック率いるエヴァダイニングによる出店。

惠葉の杜

マクロビオティックの思想の中に、食物そのものの生命力を頼りに日常生活を豊かにしようという姿勢は、私たち建築を作る人間の幾ばくかにも共通したところがあるように思います。大きなレジカウンターは栗の木ですが、食べ物を扱う店だから、多くの選択肢の中から、人間の食べ物が生る木というのは選択基準の一つだろうと思いました。食べられない建築であっても「美味しそうな」という比喩を便りに素材を組み込んでいきます。

惠葉の杜

野菜をはぐくむのは土。商品が陳列される背景は、名実ともに、背景としての土。そのまま壁天井の内装へ、そして棚の素材として。土はほおっておくとヒビが入る。ヒビを全く生えさせないのが土のの技術はありますが、ここはあえてそうしない。都市の中には普段はお目見えしない土の本性が、この硬い都市施設の一角に出没しています。

惠葉の杜
惠葉の杜
惠葉の杜

ヒビはしかし、一旦生やそうとすると、人間が完全に制御できません。実際、この店舗でも、野放図にヒビを許すのではなく、地面から天井に向かって、ヒビが段々大きくなるようにと、人間の方からコントロールしようとしたのですが、実際は、事前に製作した見本のようにはいきませんでした。微妙な塗り厚の違いで、ヒビの大きさが揺れる。その揺れは、人間の手の揺れを自然が正直に表現している、ということでもあります。人間の作為とそれより大きな原理の相克。現代の技術の発展の目的は、自然の完全制御ですが、いざ、制御してしまうと、案外面白くないという側面があります。人間の作為と無情なる自然の原理の相克が、深く面白いのだと思います。