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2012. 9. 16

第135(日)地中にポイ捨て、核のゴミ

核のゴミに関する政府の方針が、この機会を得てようやく練り直されようとしている。これまで、高レベルの使用済み核燃料は、地中深くに生き埋めにして、数万年以上の時間をかけて、最終処分とする計画であった。今回の日本学術会議が提出した報告書によれば、「万年単位の超長期にわたり安定した地層を確認するのは、現在の科学的知識と技術的能力では限界がある」と指摘されたという。数万年以上先の人類にツケを回すという考え方も、数万年以上の時間の経過に対して核のゴミの安全を確証できないという事実も、今判明したというより、最初から解っていた問題である。気付いてはいたが、なんとなく意図的に蓋をしていた。それをこの機会に、勇気をもって蓋を開けて考え直そう、という話。少なくとも、蓋がこのまま開かれないという、最悪な事態は免れるのだろうか。
政府はなんと恐ろしい無頓着を働いていたのだ、と思う反面、人間ってそういうところあるなと思う側面も感じる。仮に恐ろしい方向に向かっていたとしても、場に流れがある時には、抵抗したり反対する力が持てないのが人である。それを行うことができるのは、一握りの偉人か変人に過ぎない。だから、今ごろになって、という非難を、政府関係機関の無人格に対して一方的に投げつけられるものではない。そのかわり、その元で判断者として働いていた人々を、私達は特別扱いすることなく凡人として扱わねばならないし、いかに未来の人類に向かって無礼を働いていたかを、認めなければないように思う。

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