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2017. 11. 26

第176(日)技術のデザイン-3(結縛による接合1)

33年間、雨ざらし状態であった勝手口門扉の取り替え工事。

桧の木製建具であったが、良く保った。新しい建具を、以前と同じように作るのは面白くないから、全く異なるものを。機能的には、視線や空気は透けていいから、かねてより温める「建具そのものの奥行き感」、というものに改めてトライすることした。例えば、障子は、太い框と細い桟の二部構成で出来ているが、細い桟のみで一つの建具を構成できないか。そしてその細材は縦横に重なって、奥行き方向へ向かう。建具とは、空間を遮るものだから、薄くあることが宿命で、それ自体に奥行きなどという概念のないものではなかったか。そこを逆転的に考えた。

両脇のタテ框とヨコ材の仕口架構は、アルバイトのアオタ君がノミを手に取りニワカ職人に挑んだ。それ以外は、たこ糸により丸材をタスキ結びとしたことに表されるように、造作は特別な道具は不要の、技術的にはローテク+手間の類いであった。これは扠首(サス)構造の藁葺き屋根と同じだと思った。この建具は一人で5〜6日を費やして完成したが、仮に家一軒の屋根の構造であってもだれか一人、慣れた人が居れば、あとは手伝いの類の技術力で構築することができるもの。必要なのは、丁寧に一つ一つを作ること。その手間の積み上げで、できるもの。しかし、お金で雇うと、高価な造作になるもの。現代に持ち越された茅葺き屋根はその最たるもの。

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