2012. 9. 5

センシブルハウス-「当面を凌ぐ原発」

「政府は4日、エネルギー・環境会議を開き、将来的に原発ゼロを目指す場合の課題を議論した。2030年にゼロにする場合、原発を代替する再生可能エネルギーの普及に約50兆円の投資が必要と試算。電気代を含む家庭の光熱費は22年比でほぼ倍増し、月額3万円を超すとした。」(産経新聞 9月4日(火)12時33分配信)

昨日この記事を読んで、私は率直に、そういうトレードは必要かもしれないと思いました。消費税問題と同じように、安直に国民負担になだれ込む政府の姿勢に対する疑念が湧かないわけではありませんが、ちょっと論点を変えて、国民負担は致し方ないという消極的なとらえ方ではなく、これを機会に生活の電力依存に歯止めをかける更正代金、というふうに考えるとどうでしょう。原子力発電は、発電すること自体は低コストかもしれませんが、その後の廃棄物処理は、高価というより、今の人類の英知では対処しきれないわけで、自然エネルギーへコストをかければ、コストをかけても処理できないものが発生しないようになるのだ、と考えてみてもいいかもしれません。未来の人類に対して、当然といわれると身も蓋もありません。あるいは、電気仕掛けの一途が人間幸福の追求に関わるかどうか、とクールに考えてみるのもいいかもしれません。

現状が、当面の利益のために構築されているとすれば、その現状を打開するためには、当面の不利益を覚悟する必要があるのかもしれません。

問題は電気代増額分の「上がり」が有効に社会へ貢献しているかどうか、でしょうか。そうであるなら、電気代は皆平等でしょうから、不満よりも理念が勝る可能性があるように思います。

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