2008. 10. 4

第52(日)ソフトウェアアップデート

ちょっと前になるが、携帯電話を取り替えた。ナンバーポータビリティーを利用して、ドコモからソフトバンクへ。言わずもがなIphone。ロジョーに並んだりはしていない。持っていた携帯のカメラは壊れるわ、電池はイカレルわ、ソフトバンクが事務所から歩いていけるわ、で後は自然の成り行きであった。猫も杓子も、といったものへ手を出すのは本来憚れるが、あまり売れていないということと、元来のマックユーザーなのだからという、よくわからない理由に促された。使い始めて直ぐに気づいたのは、指先が鈍重なフォルムの輩にはこのタッチパネルはナカナカというもの。つまり指太鳴かせである。この人に掛けたいと思う、必ず上か下かのリストに電話が掛かってしまう。そして電波の調子がすこぶる悪い、電池の消耗がものすごく早い、でこれはいかがなものかという状況になった。仕方ないとは思いつつも、やはりというか、パソコンに繋がれたiphoneは勝手に自らのドライバをアップデートし、能書き通り、「通話切断のエラーやバグに対応」と「バッテリー寿命の改善」がなされた。これは見事であった。ハードウェアはなにも変わらないのに、それを動かすソフトが入れ替わるだけで、こんなに充電の持ちがよくなったり、電波授受が良くなったりするものだろうか、というほどのもの。もはやそういった基本性能はハードウェアに依るのではなく、それを動かすソフトが決めるということである。人間もこんな風にして、図体は変わらないけども、中身のなにかをアップデートしながら改善できるなら、さぞいい世の中になるだろうなどとばかげたことも考えたくなる。
そういえば、パソコン本体の不具合を直す「Disk First Aid」(マックの場合)というのがある。ハードディスクやリムーバブルディスクの検証と修復の機能を持つユーティリティソフトウェアである。システムを動かしている起動ディスクに対しては、自らを検証することはできるが、修復するにはDVD等の外部の起動ディスクにより立ち上げてそこから行うしかない、というところが意味深い。つまり自分で自分の悪いところを発見することはできるが、それを修復することは出来ないというものである。人間の場合も、外部の起動ディスクから立ち上げることが出来た暁には、(ソフト面の)壊れた部分を修復することができるということになる。この場合の「外部起動ディスク」とはなんだろう。あれかなー等と思い描くも、確信の持てぬ一物である。

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