2022. 7. 13 permalink
HTCスーパーフロア施工
頂上の家は、基本的には、地下のガレージが来客用の玄関、ということになっている。理由は、麓から登ってきた時に、住宅部の玄関よりも、こちらの方が手前であるし、大抵は車なので、ガレージに駐車して、そのまま真っ直ぐ裏から、ということになる。
でも、元々のコンクリート床は、サードオーナーの私に至るまでに、シミや汚れや亀裂などそれなりにへこたれていて、ちょっと来客のアプローチとしては、耐えられぬものだった。そこに、最もふさわしい仕上げ工法を見つけた。コンクリートスラブを最大5ミリ削って、骨材を露わにし、ピカピカの床にする工法。HTCスーパーフロアという商品名。人が何人かかっても持ち上げることができない研磨機に、十数回、砥石の番手を交換しながら、最後はピカピカの光沢面を作り出す、特別な機械が前提となる。
スウェーデンのHTC社製。この手の研磨機は世界にいくつもメーカーがあるらしいが、ここのが最も優れているとのこと。このようなものが生まれた動機付けがまた、意義深い。物流倉庫や、自動車整備工場、他ヘビーに床を酷使するところで用いる、表面硬度や防水性を獲得するためのケミクリート系の床、その他Pタイル等は、知っている人にとっては常識の仕様だが、かならず摩耗損耗の折に、部分補修ではなく、塗り替え張り替えが必要になってくる。その度に既存の施工面を剥がして、また新しく、同じ仕上げを行う、その繰り返し、となる。この手間と廃材の発生をなくす手段として、コンクリートの上に何かを載せる工法ではなく、コンクリートそのものの表面の機械性能を上げる工法が考え出され、これが結果的に環境負荷を軽減するというのだ。
世界標準が塗り変われば、確かに資源の節約は少なからずである。成り立ちが、時勢的に小憎い美談の類でもあるが、しかし、本当にいいのは、その仕上がりである。ビフォーアフターとしては、劇的、を超えて、スーパードラスティック?である。これが仕上がった翌日以降、室内側から玄関を開けて広がるこの光沢空間に、別世界、の感触を覚える。元からあった二台の車は、ここに置かれてもいいのだろうかという感じで浮いて見える。赤いプリウスは、赤いフェラーリに見立てても、軽バンの商用車は、救いようがない。
いろんな人に見せて、みな驚愕するその次に必ず聞かれるのは、「水がかかったらツルンツルん、よね。」予定調和的に、水の入ったバケツを脇から出してきて、撒き散らして、靴を滑らせてもらう。見かけに反して、まったく滑らない。ほとんど、グリップが変わらない。タイヤ痕もつかない。いいことづくめすぎて、あとは費用の話に直行する。いずれ設計業界的には常識になるだろうから、この段階で、公開いたします。九州近辺の方は以下に直接ご連絡してください。
田畑工業(鹿児島)http://www.iimo.jp/?s=1687&pg=page&id=1100&pageid=1790