2025. 5. 5 permalink
改修当時は、自宅ということもあり、手間抜きで、クローゼット内の漆喰塗りは、脇の小さな壁のみとした。それが仇となった。外壁となる2つの角の内側を収納としたものだから、両角が、見事にかびた。教科書通り、外壁角は、風速が増して、熱伝達率が上がるところ。そこの内側は、他の部分より熱を奪われやすくなり、空気が動かない場所となったことで、やむなく冬型結露した、ということになる。
4年目のゴールデンウィークに、一日施工で、対策を講じることにした。背面全部を漆喰塗りにしようかと思ったが、それよりも、断熱性能を増すべきと想い、『ザ・スリム』というベタ名称の断熱材を貼ることにした。これは、ホームセンターなどにも売っている、正に、押し入れ内の断熱性能を強化する時を想定した、押し出しポリスチレンフォーム系の高性能断熱材である。熱伝導率=0.028W/(m・k)とあるから、一番安いグラスウール10Kに比べると、およそ倍の断熱性能ではある。とはいえ材の厚みは7mmしかないから、外壁に必要とされる断熱性能を単独で得るためのものではなく、あくまで補佐的なものである。
これでも結露が止まらなければ、次は、『ザ・スリム』の上から、漆喰塗りという、最終手段がある。建築は何年やっても、なってみて実感する、注意を喚起する、ということの繰り返しである。