2026. 11. 7 permalink
左官の江口さんが、現場に入り始める。まずは、室内の漆喰下地から。彼とは知り合ってから多分20年ぐらいになるだろうか。原田進親方の弟子の時代からである。そのころは、現場に入っていて一言二言、交わす程度だったが、今では、彼が親方である。いつものように、練り場で雑談だが、下地材はなにを使っているの話から花が咲く。普通に漆喰を塗ってもらう時に、漆喰はなにを使うか、当然尋ねる。九州北部圏は、田川の田川産業があるからか「城かべ」の率が高いように思うが、下地材が案外ばらつく。漆喰材は、もしメーカーが違ったとしても物性に大きな違いがあるわけではないが、下地材は石膏を基材としていることは同じとしても、値段から、作業性、保水性などの物性に、大きな差がある。話していると、それも地域差があるようである。関西の左官は、ユートップ(吉野石膏)をみんな使っている、とかの地域差の話がとても面白い。
江口さんはなにを使うか、というのは、もしかしたら企業秘密かもしれないので、伏せておくが、前代未聞のユニークさだった。もちろん利点も難点もある。そして漆喰には、コーヒーの焙煎ガラを入れるという。しかも極上の焙煎ガラだという。それがどう壁にいいのか、彼なりの循環思想のようである。ここまでくると、彼に従うしかない。塔屋には、この敷地の土を塗る予定。この夏は本当に暑かったが、ようやく現場の風も冷たいと思う季節になってきた。
